ADENOMYOSIS
子宮腺筋症
強い月経痛と出血、その背景にある子宮の変化。
子宮腺筋症とは・なぜ起こるのか
子宮腺筋症は、子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉の層(筋層)に入り込み、月経のたびに炎症などが生じる病気です。子宮全体が厚く、大きくなることがあり、強い月経痛や過多月経につながります。
子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が卵巣や骨盤内など子宮筋層以外に生じる病気です。一方、子宮筋腫は子宮の筋肉から生じる良性の腫瘍で、筋層内にしこりとして認められることが多くあります。子宮腺筋症では筋層に病変が広がり、筋腫との境界がはっきりしない場合があります。
これらは症状が似ており、合併することもあります。超音波検査やMRIなどで区別します。
子宮腺筋症で確認したいこと
月経痛と出血量の増加が同時にみられる場合、子宮腺筋症などの器質的な病気を考える必要があります。
診断には超音波検査やMRIなどが用いられます。出血による貧血の確認も重要です。
現代医学で行われる治療
子宮腺筋症では、鎮痛薬に加え、低用量ピルなどのホルモン療法や、子宮内に装着して出血量や痛みを抑えるLNG-IUS(黄体ホルモン放出子宮内システム)などが検討されます。貧血があれば、その治療も行います。
子宮筋腫と子宮腺筋症では、病変の広がり方が異なるため、手術の方法にも違いがあります。
治療は、症状の程度や年齢、妊娠の希望などを考慮しながら、一人ひとりの状態に合わせて検討されます。
東洋医学から考える子宮腺筋症
東洋医学では、子宮腺筋症という病名だけでなく、月経痛の現れ方や経血の状態、冷え、身体全体の調子などから状態を捉えます。
代表的なのが「瘀血(おけつ)」です。血の巡りが滞った状態を指し、刺すような痛み、痛む場所が比較的はっきりしていること、経血に塊が混じることなどを手がかりに考えます。冷えによって血の巡りが滞り、痛みが強くなると捉えることもあります。
また、「気滞(きたい)」は気の巡りが滞った状態です。下腹部の張るような痛みや、月経前に症状が強くなるといった特徴から考えることがあります。気の巡りと血の巡りは互いに関係すると考え、気滞と瘀血が重なっている場合も想定します。
同じ子宮腺筋症でも症状の出方は一人ひとり異なるため、こうした特徴を組み合わせて捉えます。
子宮腺筋症に対する鍼灸治療
当院では、04でご紹介した瘀血や気滞の考え方をもとに、月経痛の性質、経血の状態、冷えや下腹部の張りなどを確認しながら鍼灸治療を行います。
血の巡りが滞っていると考える場合には、その巡りに着目し、気滞が関係すると考える場合には、気の巡りを整えることを意識します。冷えを伴う場合には、身体を温めることも含めて治療を組み立てます。
強い出血や貧血がある場合には、婦人科での検査・治療も大切です。
子宮腺筋症について、ご相談ください
症状の経過や医療機関での診断を大切にしながら、鍼灸が補助的に役立つかを検討します。